よろこび。
今月もあと2日で、いよいよ一年の締めくくりの12月を迎えます。
一年の中で、お誕生日の次に楽しみな月かもしれません。
フィンランドに住むサンタさんもクリスマスの準備をはじめる頃でしょう。
お部屋もクリスマスを待ち侘びる子どもたちの壁飾りが賑やかです。
そして、もうすぐ「メモリーフェスティバル」。
これまでの行事はどれも楽しい思い出で心に残ったことと思いますが、
特に「メモリーフェスティバル」は、色々な意味で成長を感じる行事だと思います。
今回は「表現」の発表になります。
「表現」が生まれるためには、「表現したい」気持ちが大事です。
絵で表現する場合も、言葉で表現する場合も、身体で表現する場合も、音楽で表現する場合も同じです。
人がなにかを表現するためには、それ以上に表現したい感情を生む感動が大切です。
いいときばかりではなかったかもしれませんが、
日々の生活の中で感動する体験を通し、楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、寂しいこと、内面に育つ感性を十分に耕してきました。
「表現」は、自分が思っていることや感じたことを相手に伝えるために必要不可欠な手立てです。
言葉を覚えそれを相手にやっと伝えられるようになったばかりの子、思っていても中々伝えられない子、
言いたいことが伝えられずに、寂しい気持ちでお家に帰った子、それを聞けば、「かわいそうなことをした」と、申し訳なくなりますが、
みんなの思いが聞けるような、思いが言えるようなクラス作りを目指しています。
一人ひとりの表現が響き合って命の営みが響き合う・・・・それは、人間形成の基になるものです。
コンピューターが身近になって、いつの間にかなくてはならない存在になりました。
人間と大きく違うこと、コンピューター自身ができない唯一のこと、
それは感じたことを自らの力で形にすることです。
何でもできるようになったと思われるロボットやAIにできないことこそ、人間の本質かもしれません。
それほど大事な「表現」です。
「表現」は小さな窓口にみえるかもしれませんが、
将来的には表現を中心に教育が行われていくくらい、広がっていく、今は小さな小さな「窓口」です。
ですが、とっても大事な「窓口」です。
その発表があの広い長良川国際会議場で行う「メモリーフェスティバル」です。
今は、見てもらう「喜び」、発表する「たのしさ」でいっぱいです。
それは、これまでの積み重ねで生まれたものです。
先生と一緒に、おともだちと心と力を重ねて築き上げたものです。
その過程が、恥ずかしかった子も、恥ずかしい気持ちを乗り越えて、堂々と演じることができるようになりました。
培われたものは、「なかまのすばらしさ」「おともだちのやさしいきもち」「はげましあうこと」「がんばってつづけられるちから」
そして心に育った「ゆうきとじしん」です。そして「おともだちがいて、わたしがいる」・・・・。
「どきどきする子はいるかな? 少しぐらいまちがえたっていいんだよ、思いきりみんながたのしめることがだいじだからね。」
優しい言葉をかける先生、真剣に聞く子どもたちの姿には信頼関係いがいなにもありません。
とても温かい気持ちになります。
発表会当日は、それぞれに着替えや準備に忙しく座席に座ってみることができない子どもたちです。
今日はお兄ちゃんやお姉ちゃんの発表をホールで見てもらうことにしました。
がんばっているお兄ちゃんや姉ちゃんの姿は弟や妹にとってそしてみんなにとって、大きな憧れです。
第二部のリハーサルには、それぞれの年次が一つになって発表してくれました。
「小さいお友だちがいっぱい見ていてくれるよ、小さい時にお世話になった先生も見ていてくれるよ。
年長組さんのさいごのはっぴょうになるよ、やさしいきもちでうたおうね。」
年長組の子どもたちの歌声がホールに響きました。たくさんの感動に包まれたリハーサルになりました。
まだ終わったわけではありませんが、言葉に出ないくらいに・・・子どもたちの自信をみました。
インフルエンザに罹患してお休みされている子や大事をとってお休みされている子も多く、おともだちの分まで演じてくれました。
中にはお客さんに圧倒されて泣き出してしまった子もいましたが、それも大事な経験です。
みんながそれぞれの成長の階段をのぼるような「メモリーフェスティバル」になることを願っています。
さぁ、保護者のみなさま、わたしたちの準備は万端です。
体調を整えて、温かくして、無理をしないで本番の日を迎えられたら嬉しいです。
これまで頑張って取り組んできたみなさん
「ありがとう、がんばったね。せんせいたちは、とってもうれしいよ。」心を込めて伝えたいです。