お米にしよう。
子どもたちが年長組になって過ごす一年をひとりひとりが成長を実感できることをしたいと考えた時に
「お米作りの一年」と一緒に歩みたいと思いました。
そんな背景ではじめた「お米つくり」です。
今年で二年目となりました。
昨年、収穫したお米は1,5ℓのペットボトルのたったの半分ほどでした。
楽しみにしたおにぎりも一人一口サイズ、ですが「おいしい、おいしい」と、子どもたちがひとつぶひとつぶほおばったことが思い出されます。
私たちも昨年の経験を積んで知識もできました。
春、子どもたちは泥あそびからはじまりました。
それから土作り、肥料を入れた肥えた土を発砲スチロールに入れて耕しました。
「さいしょはねちょねちょしてきもちがわるかったけど、だんだんきもちよくなった」
JA農協さんのお世話で頂いた苗を
5月、田んぼに子どもたちがひとつひとつ手植えをしました。
園庭の一角を苗床の場所として、年長組の子どもたちを中心にみんなで見守ってきました。
年中組の子どもたちは「おおきくなったら、やるんだね。こんどはわたしたち」と、楽しみにしてみていました。
「おおきくなる」ことへの憧れは、いろいろなところで育ちます。
幼稚園の周囲も田んぼの宅地化が進み、稲が育っていく景色が見られなくなっています。
田植えを終えて夏から秋にかけて、肥料をあげたり、たまりすぎた水を抜いたり、カラスがつつくのを防ぐためにきらきら光るものをぶら下げたり、狭いながらもたわわに実った田んぼの景色に日本の風情を感じました。
その間JAぎふの辻さんと土田さんが「だいじょうぶかな?」と足を運んでくださいました。
「これならいいよ」と、ゴーサインをいただき、鎌で刈り取りをしました。
鎌を扱うことのない子どもたちや私たちもその切れ味に真剣そのものでした。
そして、刈り取った稲を干して自然乾燥です。ぶら下がった藁の下は、
子どもたちの格好のあそび場になりました。
メモリーフェスティバルを終えて、11月18日いよいよ脱穀に挑戦しました。
二人一組のペアーさんになって、一人は穂先を牛乳パックに入れ、もう一人は牛乳パックの注ぎ口を閉じて指でしっかり押さえ、指をゆっくり引くと脱穀ができるわけです。
手の加減と指の塩梅がなかなか難しく、するりと抜けてしまい
「あれ、まだいっぱい残っている・・・」貴重な一粒です。
何度も何度もやっていくうちにコツがつかめていくのが楽しくなっていくようでした。
一粒一粒のお米がとっても大切になり、落ちているお米を丁寧に拾って・・・・大事にしてくれました。
「もしかすると、もったいないおねえさんがきちゃうかも・・・・」
私を思い出してくれたようです。
脱穀を終えて
乾燥した茎で散らばった床をほうきやちりとりでみんなが掃除をしてくれました。
「おうちのげんかんをてつだっているよ」という子もありました。
「侍ジャパンが自分たちの使ったロッカーをきれいに掃除してゴミをひとまとめにしてあった」と各国のメディアが称賛したドイツ戦で試合後のロッカールーム、
「立つ鳥あとを濁さず」その心は日本に残る礼儀であり、大事にしていきたい心です。
余談ですが、加えて折り鶴とは粋な計らい・・・でしたね。
そしてサッカー選手たちの優しさが心に響きます。
この経験が後になっていろいろな発見につながっていきました。
給食時には「このひとつぶが、あのおこめのひとつぶといっしょなんだね」
どこでもどあで出かけた岐阜公園では、「だっこくしよう」と落ちている葉っぱを手に取り茎だけにしてみたり・・・・。
新しい発見や驚きやわくわくが心の中にたくさん生まれています。
さて、今日はすり鉢と野球ボールを使ってもみを外す作業をおこないましたが、中々むつかしいようでまだ途中です。
「もみすり」と「精米」の二つの工程が残っていますが、その続きは次回にお知らせしたいと思います。